パナマコーヒー
今日はパナマコーヒーについてお話しようと思います!
・パナマといえば、パナマ運河の国というイメージの通り、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の境に位置し、太平洋、大西洋の結節点に当たるという地理から、貿易や国際政治の舞台として大きな役割を果たしている。
・国土はパナマ運河によって二分されている。全体的に山脈が多く、国土の約8割が山地と丘陵だが、低地では熱帯雨林と湿地帯が広がっている。熱帯性気候の豊富な降水量のもと、まろやかで調和の取れたカップのパナマコーヒーが生み出されている。
・パナマは、元々はコーヒー産地としてあまり有名ではなかったが、近年その品質の高さから、世界中から脚光を浴びている。ティピカなどの在来品種が多く作られているのも魅力。
★栽培方法
・パナマでコーヒーの栽培が始まったのは中央アメリカの中では実は最も遅く、1870年〜1890年頃から、パナマの西側にあるチリキ県のボケテ地区というところで栽培が始まった。
・歴史的には浅いものの、パナマはコーヒーを栽培するのに最適な環境をそろえている。アラビカ種のコーヒーは基本的に標高の高いエリアで栽培されるが、パナマは国土の80%が山岳地帯であり、アラビカ種コーヒーの栽培は標高1,500m~1,700mのエリアで主に行われている。
この標高の高さが、昼と夜の寒暖差を生み出して、身の引き締まった美味しいコーヒー豆の栽培を可能にする。一方で、品質の低いロブスタ種の生産も行われており、それらは標高1,000m以下のエリアにてパナマ国内で消費するために栽培されている。
・またパナマは赤道近くに位置しており熱帯エリアの国。そのために雨季があると同時に乾季もしっかりとしており、雨季と乾季の両方が必要なコーヒーの栽培に適している。
さらに霧が発生するために気温が暑くなりすぎることを防いで快適な温度を生み出している。
・パナマ産コーヒーの栽培は、主にコーヒーの栽培が始まった西側のチリキ県のボケテ地区で行われているが、ここはバル火山という火山の近く。そのために土壌は火山灰性のものとなっており、ミネラル分を豊富に含んだ豊かな土壌になっている。
・美味しいコーヒーを栽培するには数多くの気候条件があり、環境的な制約が多いが、パナマはそれらの条件をクリアしている数少ない国の1つであり、この恵まれた環境で美味しいコーヒー豆の栽培が行われている。
・それらのコーヒーは農薬を使わずに手摘みで収穫されることが多く丁寧に加工されていく。もともと小さな国なので年間のコーヒー豆の生産量は約7,000kgと生産量の世界ランクも20位〜30位をさまよっている。
・しかし、生産量がそこまで多くないにも関わらず、“ゲイシャ”を始めとするスペシャルティコーヒーの登場によって、パナマ産のコーヒー豆は世界的に大きな注目を集めることになった。
★ゲイシャ種とは
・この名前の由来はエチオピアにある「ゲシャ(Gesha)」という村の名前。この村で栽培されていたコーヒーの品種を移植して栽培していることからゲイシャと呼ばれるようになった。
・エチオピアはもともとコーヒーの発祥の地であり、コーヒー栽培に関しては多くのノウハウを持っている。そんなエチオピアのコーヒーはまずパナマの隣国であるコスタリカに移植された。
・そしてコスタリカを経て1963年にパナマで最もコーヒーの栽培が盛んなチリキ県ボケテ地区に初のゲイシャコーヒーが移植された。